保身と呪い
精神科や心療内科に行く勇気がない。
もしも、なんらかの精神疾患と診断されたらどうしよう。という不安があるからだ。
例えば今の職場を辞めて、転職しようとした時に、ただでさえ若くない年齢の僕は厳しい状況だと思う。
その上、精神疾患があるとしたら、受け入れてくれる会社はあるだろうか?
ヤバイおっさんがエントリーしてきたぞ、となる気がしてならない。
社会人としてかなり不利な立場になる気がする。
そんな事を考えてしまうと、世の中からどんどん孤立して行く気がしてくる。
ずっと前に見たテレビドラマ「半沢直樹」に出てきた主人公の同期が、上司のイジメから統合失調症になる場面がある。そのキャラクターの心象風景を、墨汁をポタポタと垂らすビジュアルで表現していたが、まさにあんな感じだ。
心が壊れるというか、いつの間にか自分の中に溜まっていた良くない液が溢れて漏れ出す。
堪えていたものが決壊する。
ひょっとすると、他人から見れば「気にすんなよ」の一言で済まされるような事かも知れない。多分そうだと思う。
そんな風に思えば思うほど、自分がつまらなく、小さく、弱い人間に思えてくる。
会社に迷惑を掛けた事がどんどん負い目になってくる。
会社のみんなが僕に舌打ちをしている。
「面倒なやつだな。」と陰口を言っている。
こんな悪い想像が膨らんでくるとヤバい。
統合失調症って、こういう感じなのかな?
僕はまだ、なんとかギリギリのところで、客観的に自分の状況を見れているような気がする。大丈夫。大丈夫。
僕の本音はこうだ。
困れ!みんな困れ!僕が居ないとこうなるんだ!
さあ、僕のポストには、誰がおさまるんだ?
誰が生贄になるのか、全員でジャンケンでもしろ!
ジャンケンで負けた奴から壊れてくだけだけどな。
っていう気分。
我ながら怖い。こういうのなんていうの?呪い?