家族とちゃんと話す。そして一生忘れない。
平日に会社に行かずに家にいると、もれなく家族が心配する。
特に妻は心配する。
僕にはまだ小さな幼稚園児の娘がいるのだけれど、彼女は「やったー!お父さん休みだー!」とはしゃぐ。
子供は無邪気で良い。
娘は朝幼稚園に行って、午後の2時頃帰ってくる。その間、妻は専業主婦なので、僕と二人で家にいることになる。
僕が会社に行けなくなった理由や、今の気持ち、これからの事などを妻に打ち明ける。
慰めて欲しいわけじゃない。どちらかというと、「今、こんな感じになっちゃったけど、でもこれからは大丈夫さ!」という、なんの説得力も無いがとにかく心配ないさ、といった旨を伝えたかった。
気丈に振る舞ってくれる妻。
しかし、妻は妻で日頃のストレスや不満、不安があったようで、この機会にお互いの心の中に溜まったダークネスを全部ぶちまけて共有する事になった。
お互い無理してきたんだな。がんばったよな。
と、手を取り合って涙した。
自分らしくある事の難しさ。
普通の不自由さ。
僕たちは、きっとどこかで間違えたに違いない。でも、今からでもやり直せる。
僕たちは何をしたいのか?
僕たちは何をしたくないのか?
いわゆる一般的な人生なんてどうでもいい。
僕たちは、自分たちが満足する暮らしと将来の夢を、はじめて真剣に考えてみることにした。
午後の2時になり、妻が娘を迎えに行った。
幼稚園から帰るなり、娘は僕に飛びついた。
「お父さん、何か一緒に作ろうよ!」
娘は工作遊びがしたいと言う。
僕と娘は、妻に教えてもらうことにした。
プラ板に絵を描いて、トースターで焼いて、キーホルダー的なやつを作る感じの工作だ。
ハロウィンが好きな娘は、カボチャのお化けみたいなやつを描いて焼いた。
僕のはこれだ。
「会社に行けなくなっちゃったお父さん」だ。
人生のストレスは芸術に昇華させるのが僕のやり方だ。これは今の僕の自画像であり、今回の事態を一生忘れないための記念品だ。
仕事で心がぶっ壊れた事を、僕は一生忘れない。
このブログも、この事を一生忘れないために始めた。