会社に行けなくなった僕が、丸くなって考える新しい人生。

気をつけて、一寸先はメンタルクラッシュ。

診断結果は「不安抑うつ状態」

心療内科

まず「相談員」という人に自分の症状などを話す。例えば、盗難や空き巣とかの被害に遭った人が事情聴取を受けている感じ。結構細かく聞いてくる。

それが終わると、身長と体重を測る。

そして4種類くらいの、セルフチェックシートに回答記入する。ストレス度チェックとか、うつ度チェック、みたいなやつ。

しばらく待って、医師の問診。

軽く話して、診断書書かれて、薬処方されて終わり。

 

正直なところ、

こっちのプレゼン次第で、

診断書なんてどうとでもなると思った。

これって、基本的に「自己申告」の世界なんじゃね?って思った。

 

精神安定剤もらったから飲んで暫く経つけど、

別に悩みが消えるわけでもないしね。

 

あと、実際問題として、

1ヶ月間自宅療養の必要あり。

って診断書に書かれたけど、

1ヶ月休職したら普通の会社なら、無給でしょ?

僕も会社に確認したら、無給って言われたし。

 

そんなのさ、診断書貰っても、

会社に出せなくない?無給じゃ食ってけないじゃん。

 

きついよね。

 

はじめての心療内科

心療内科に行ってみようと思い、グーグルマップで自宅の近所にクリニックがあるか調べたら結構あって、少し驚く。

 

初診の予約をしようと電話したら、1ヶ月待ちとか何件もあって、さらに驚く。

 

その中でも、割と直近で診てくれるクリニックがあったので、予約して、今来ている。

待合室にはたくさん人が居る。

歯医者さんや耳鼻科のような感じだ。

 

僕が想像してたのは、もっと青ざめてうなだれた人々がポツリ、ポツリと居る雰囲気かな、と思っていたので、また少し驚いた。

 

実際、みんな「なんて事ない顔」をしている。

市役所で住民票の発行を待っているようだ。

 

心療内科って、僕が思うよりもカジュアルなのだろうか?

 

いま僕もたぶん、なんて事ない顔してると思う。

 

 

 

家族とちゃんと話す。そして一生忘れない。

平日に会社に行かずに家にいると、もれなく家族が心配する。

特に妻は心配する。

僕にはまだ小さな幼稚園児の娘がいるのだけれど、彼女は「やったー!お父さん休みだー!」とはしゃぐ。

 

子供は無邪気で良い。

 

娘は朝幼稚園に行って、午後の2時頃帰ってくる。その間、妻は専業主婦なので、僕と二人で家にいることになる。

 

僕が会社に行けなくなった理由や、今の気持ち、これからの事などを妻に打ち明ける。

慰めて欲しいわけじゃない。どちらかというと、「今、こんな感じになっちゃったけど、でもこれからは大丈夫さ!」という、なんの説得力も無いがとにかく心配ないさ、といった旨を伝えたかった。

 

気丈に振る舞ってくれる妻。

しかし、妻は妻で日頃のストレスや不満、不安があったようで、この機会にお互いの心の中に溜まったダークネスを全部ぶちまけて共有する事になった。

 

お互い無理してきたんだな。がんばったよな。

と、手を取り合って涙した。

 

自分らしくある事の難しさ。

普通の不自由さ。

 

僕たちは、きっとどこかで間違えたに違いない。でも、今からでもやり直せる。

僕たちは何をしたいのか?

僕たちは何をしたくないのか?

 いわゆる一般的な人生なんてどうでもいい。

僕たちは、自分たちが満足する暮らしと将来の夢を、はじめて真剣に考えてみることにした。

 

午後の2時になり、妻が娘を迎えに行った。

幼稚園から帰るなり、娘は僕に飛びついた。

「お父さん、何か一緒に作ろうよ!」

娘は工作遊びがしたいと言う。

僕と娘は、妻に教えてもらうことにした。

プラ板に絵を描いて、トースターで焼いて、キーホルダー的なやつを作る感じの工作だ。

 

ハロウィンが好きな娘は、カボチャのお化けみたいなやつを描いて焼いた。

僕のはこれだ。

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「会社に行けなくなっちゃったお父さん」だ。

 

人生のストレスは芸術に昇華させるのが僕のやり方だ。これは今の僕の自画像であり、今回の事態を一生忘れないための記念品だ。

 

仕事で心がぶっ壊れた事を、僕は一生忘れない。

このブログも、この事を一生忘れないために始めた。

 

 

潰しが利く人生なんて

僕には夢があった。

好きな事も、得意な事もあった。

でも、それに対して、思いっきり全力で人生を賭ける事ができなかった。

 

僕は、潰しのきく人生を選んでしまったのだと思う。

もし、自分が好きな事を仕事にできたとしても、失敗する恐れがある。だからそのリスクヘッジとして会社員になれるか挑戦してみよう。と考えた。20代を好き勝手に過ごしてきた僕には、いわゆる普通のサラリーマン的な人生を手にいれられるなんて思っていなかった。

 

そしたら、やればやったで意外となれた!転職も意外とできた!どこでもやっていけそうだ!結婚もできたし、子供も食わせていける!車も買えたし、住宅ローンも組めた!なんだよ、いわゆる普通の人生なんて思ったよりチョロイぜ。と、思った。まぁ10年かかったけど。

 

ただ、今になって気づく。

リスクヘッジのプラン自体が僕の人生になってしまった。

とはいえ、僕の10年のキャリアは潰しが利くものだし、食っていく自信もある。

でも、メンタルクラッシュ一発で、駄目になるのだ。

 

僕には今、何が残っているのだろうか?

保身と呪い

精神科や心療内科に行く勇気がない。 

もしも、なんらかの精神疾患と診断されたらどうしよう。という不安があるからだ。

 

例えば今の職場を辞めて、転職しようとした時に、ただでさえ若くない年齢の僕は厳しい状況だと思う。

その上、精神疾患があるとしたら、受け入れてくれる会社はあるだろうか?

ヤバイおっさんがエントリーしてきたぞ、となる気がしてならない。

 

社会人としてかなり不利な立場になる気がする。

そんな事を考えてしまうと、世の中からどんどん孤立して行く気がしてくる。

 

ずっと前に見たテレビドラマ「半沢直樹」に出てきた主人公の同期が、上司のイジメから統合失調症になる場面がある。そのキャラクターの心象風景を、墨汁をポタポタと垂らすビジュアルで表現していたが、まさにあんな感じだ。

 

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心が壊れるというか、いつの間にか自分の中に溜まっていた良くない液が溢れて漏れ出す。

堪えていたものが決壊する。

 

ひょっとすると、他人から見れば「気にすんなよ」の一言で済まされるような事かも知れない。多分そうだと思う。

そんな風に思えば思うほど、自分がつまらなく、小さく、弱い人間に思えてくる。

会社に迷惑を掛けた事がどんどん負い目になってくる。

会社のみんなが僕に舌打ちをしている。

「面倒なやつだな。」と陰口を言っている。

 

こんな悪い想像が膨らんでくるとヤバい。

統合失調症って、こういう感じなのかな?

僕はまだ、なんとかギリギリのところで、客観的に自分の状況を見れているような気がする。大丈夫。大丈夫。

 

僕の本音はこうだ。

困れ!みんな困れ!僕が居ないとこうなるんだ!

さあ、僕のポストには、誰がおさまるんだ?

 

誰が生贄になるのか、全員でジャンケンでもしろ!

ジャンケンで負けた奴から壊れてくだけだけどな。

 

っていう気分。

我ながら怖い。こういうのなんていうの?呪い?

 

 

会社を休んで3日目。僕が謝りたいこと。

どうしても会社に行けない。そんなこんなで3日目だ。

 

僕の直属の上司は社長だ。

僕はいわゆる中間管理職だが、実際に自分で手を動かす業務がほとんどだ。

何と何の「中間」をどう管理しているのだろうか?

冷静になって考えると滑稽だ。

 

僕はこれまで、何人もの部下や同僚の背中を見送ってきた。

中には、「鬱」や「パニック障害」など、メンタルを壊してしまった者もいる。

しかしそんな彼らを見送る僕は、理解していなかった。

心がぶっ壊れるということが、どういうことなのか。

 

正直なところ、鬱やパニックなんてのは、「そんなの甘えだぜ。」と思っていた。仕事に向き不向きがあるのは理解できるし、うまくいかないときもある。それはわかる。でも「どうしても会社に行けないんです…。」という人に対してはなかなか理解できず、「いやいや、来れるでしょ。」という涼しい顔をしていたと思う。

 

僕が馬鹿だった。心から謝りたい。

心が壊れるということは、その人のこれからの人生が壊れてしまうことだ。

仕事ができなくなることで、生活も壊れる。その人の家族も巻き込み、一気に人生が傾いてしまうのだ。

その原因が、毎日の生活時間の多くを占める「仕事」にあるのだとしたら、何のために働いているのかわからない。

仕事に人生と家族を壊されるなんて、本当にくだらない。しかも、その対価が「そこそこのお給料」だなんて、まったく馬鹿げている。

 

いま僕がはっきりと言えるのは、

人生を賭けて取り組む仕事なんてものは、ほとんど無い。

もしそんな仕事があったとしても、それを自分がやらなければならないなんて事は絶対にない。

 

大切な事ってなんだろう?